住宅には、木柱を建てたもの、柱がなくパネルで組み立てられたもの、コンクリートの壁で組まれたもの、鉄骨の柱で建てられたものなど様々な造り方があります。それぞれの造り方は、法律により骨組みのバランスが考えられており、丈夫で長持ちするような造りとなっています。増改築工事とは、その柱や壁などを外したり、取り付けたりしながらより快適に暮らせるようにするリフォームです。増改築には建築許可が必要ないため、すべては依頼した設計士の能力次第となります。間違った設計をして大切な柱や壁を外してしまうと、住宅はバランスを崩し丈夫さが損なわれていく可能性があります。
上記のような失敗の原因は、柱を抜いた後の耐力壁補強不足、バランスの悪い耐力壁の配置、補強材料の太さ不足、補強材料の取りつけの悪さなどが考えられます。これでは、長持ちどころか修理費がかさむ住宅に変身してしまいます。このような事が起こらない様にするためには、既存の住宅の骨組みを把握した上で増改築の設計(計画)をすることが大切です。「建設会社だから大丈夫だろう。」「リフォーム会社ならプロだろう。」と思われるかもしれませんが、増改築の設計には様々な現場を見てきた設計士の知識と経験が必要です。
設計プランがよくても、それを形にする職人さんに能力がないのでは意味がありません。経験をしっかり積んだ職人さんは既存住宅の骨組みを調査しながら増改築の設計図面を見ると、頭の中で骨組みの構成が出来上がり、現場での問題点、不具合などがより早く発見できます。
増改築では、既存の屋根や床、基礎などを切り取ったり足したりすることで、そのつなぎ目や取り付け部分に不具合の起きることを想定し、事前に回避していかなければなりません。屋根であれば雨漏り、壁のつなぎ目のひび割れ、床などの不陸、基礎の割れなど様々な多くの不具合の起きる要素があります。それらを回避するためには、構造をしっかり理解できる各専門分野の職人さんの熟練の技が必要です。
設計どおりの増改築を完成させるためには、既存の住宅の骨組み・設計計画・不具合の想定のすべてを把握できる管理者でなければなりません。経験の浅い現場管理者の場合、何か問題があった場合でも判断がつきませんし、変更などの応用力がなく、職人さんの仕事ぶりに対する評価もできません。現場管理者は出来上がってからでは見えない部分の作業を総合的に監督する大事なポジションです。
増改築工事は新築よりも知識・技術・応用力が必要です!
主な新築は考えられた設計で建てられたもの(=既製品)を買うことができますが、増改築工事は既製品ではなくオリジナルで造る(=オーダーメイド)となりますから、オーダーメイドで造れる業者でなければなりません。
増改築リフォームをお考えの方は、実績のある設計士によく相談し、実力のある職人を揃えてもらうようにしましょう!